【書評】『ドリルを売るには穴を売れ』はマーケティングのバイブル！初心者から上級者まで必読の一冊

はじめに：『ドリルを売るには穴を売れ』とは？

『ドリルを売るには穴を売れ』は、佐藤義典氏が著したマーケティングの名著で、2007年1月に初版が発行され、その後も改訂を重ね、2024年11月には第40刷となるロングセラーです。

この本の最大の魅力は、マーケティングの基本を「物語仕立て」で分かりやすく解説している点です。マーケティング初心者にはもちろん、基本を再確認したい中上級者にとっても役立つ一冊です。

特に「顧客が求めているのはドリルではなく穴である」という象徴的なタイトルが示す通り、「顧客視点」で価値を考える重要性を強く訴えています。

本書の冒頭では、「ドリルの本当の価値は『穴』である」という考え方が紹介されます。これは、商品そのものではなく、顧客が得るベネフィット（利益や価値）こそが本当に売るべきものというマーケティングの本質を示しています。

顧客が商品を購入する際には「手間」「時間」「エネルギー」がかかります。これらをいかに減らせるかが、価値を高める重要なポイントです。

単純な値下げではなく、「価値を高める工夫」に注力することで、価格競争から抜け出し、顧客に選ばれる理由を作ることができます。

本書では、マーケティングにおいて「ターゲットの明確化」が重要であると説いています。

ターゲットを明確にすることで、無駄のない効果的な施策が可能になります。

競合商品があふれる現代では、「なぜあなたの商品が選ばれるべきなのか」が最も重要です。

本書では「競合との差別化」を重視し、商品の独自性や強みを明確にする方法が解説されています。

商品が売れるかどうかは、お客様の「心の中」で起きる意識の変化がカギです。顧客が商品を「自分にとって価値がある」と感じる瞬間を作ることが重要です。

本書では、マーケティングの基本である「4P」についても具体的に解説されています。

4Pを意識して一貫した戦略を構築することで、効果的なマーケティングが実現できます。

本書の最後では、「強い戦略とは美しい」と述べられています。

バラバラの施策ではなく、すべての行動が一貫した戦略のもとで動いている状態が、最も強く、効果的なマーケティングにつながるのです。

『ドリルを売るには穴を売れ』は、初心者がマーケティングの基本を学ぶのに最適なだけでなく、経験者が「本質」に立ち返るための指南書としても価値のある一冊です。

この本をしっかりと読み込み、基本を抑えたうえで他のマーケティング書を読むと、より深く理解し、実践に活かせるはずです。

「顧客の視点に立ち、価値を提供する」という本書の教えを活かし、あなたのビジネスに取り入れてみてはいかがでしょう。佐藤さん良い本をありがとうございました。次作もさっそく読んでみます。