キャッシュフロー体質を作るために
はじめに
「売上はあるのに、なぜかお金が残らない…」と感じたことはありませんか?
株式会社あうん代表、岡本吏郎さんの著書『会社にお金が残らない本当の理由』(フォレスト出版)は、そんな経営者やフリーランスに突き刺さる“お金の真実”を明らかにしてくれる一冊です。
本記事では、2025年の今だからこそ通用する岡本メソッドの核心を押さえつつ、実際に読んだ上での気づきや実践したい内容をまとめていきます。中小企業の経営者、個人事業主、フリーランスの方にとっても、まさに「他人事ではない」内容ばかりです。
キャッシュフロー経営の重要性は今こそリアル
岡本さんが強調するのは、利益ではなく「キャッシュフロー」に注目せよということです。
なぜキャッシュが残らないのか?
- 売上があっても、支払いサイトが先行すると資金繰りが厳しくなる
- 設備投資や仕入れで先にお金が出ていく
- 税金や借入返済が“見えない出費”として圧迫する
特に、2025年現在は物価・人件費・金利上昇など不確実要素が多く、キャッシュフローを軽視することは「死」を意味します。どれだけ売上が立っても、キャッシュがなければ会社は潰れる。
この“当たり前だけど見落とされがちな真理”を、岡本さんは痛烈に、かつ具体例を交えて伝えてくれます。
借入依存から抜け出せ! “常識”を疑う力
「借入して家を建てるのは、歴史的に見れば非常識だった」と岡本さんは指摘します。
現代人の多くが「借金は当たり前」という思い込みに囚われていますが、岡本さんの主張はこうです:
会社経営も、住宅購入も“借金ありき”の発想から脱却せよ
借金経営から抜け出す3つの視点
- 借りたお金は”売上ではない”と肝に銘じる
- 借入を減らすことで、精神的な安定と選択肢が広がる
- 無借金経営=守りの経営ではなく、攻めの体力を持つ手段
借入金は経営者の自由度を奪い、事業の本質的な改善を遅らせる危険があります。「借りる前にキャッシュフローを見直す」「本当に必要か?」と疑うことが第一歩です。
助成金・節税も知らなければ損をする
岡本さんは、助成金や税金についても鋭く言及しています。
「税金を払わないことと、助成金を受け取ることは同じだ」
これは、国家システムの中で“知っている者が得をする”という事実を示しています。
企業やフリーランスがやるべき対策
- 助成金情報は月1回はチェックする(商工会・中小企業庁サイトなど)
- 税理士に任せきりにせず、最低限の知識は自分で学ぶ
- “勉強する人だけが得をする”世界であると理解する
知らないことはリスク。情報収集は経営者や個人事業主の“義務”とも言えます。
「いい人ほど儲からない」は現実である
岡本さんの言葉はときに辛口です。しかし、それがリアルなのです。
「いい人ほど儲からない」 「甘い人はいい加減な仕事をする」
これは単なる皮肉ではなく、経営の現場でよく見られる現象です。
なぜ“いい人”は稼げないのか?
- 値下げ交渉に応じすぎて利益が残らない
- 無償のサービスや善意で時間と労力を消費する
- 決断が遅れ、チャンスを逃す
経営とは「綺麗事」ではなく、「結果」が全て。 “やさしさ”より“冷静な判断”が収益を生む、という現実をしっかり受け止めましょう。
「そこそこビジネス」で売上33.1%アップ!
本書では直接触れられていませんが、併せて紹介されていたのがマーケティング界の巨匠、ジェイ・エイブラハムの理論です。
客数×客単価×注文回数=売上
それぞれを10%ずつアップするだけで、売上は33.1%増加するという黄金則。
そのためにやるべき「そこそこアップ」
- 【客数】
- SNSや紹介での新規獲得を少し強化
- 【客単価】
- 高付加価値商品の提案、セット販売
- 【注文回数】
- メールフォロー、定期購入の導入
「劇的な変化」ではなく、「現実的な積み重ね」で会社にお金が残るようになります。
この本は“目を覚ます”ための警鐘だ
岡本吏郎さんの『会社にお金が残らない本当の理由』は、派手な成功法ではなく、「地味だけど絶対に外してはいけない」経営の土台を教えてくれる本です。
- キャッシュフローを見よ
- 借金に頼るな
- 制度を学べ
- 甘い幻想を捨てろ
- そこそこ改善を続けよ
これらの行動指針を心に刻めば、2025年という不確実な時代でも、堅実で強い経営ができるはずです。
経営者もフリーランスも、「お金の正体」と向き合い、自分のビジネスを見直すキッカケにしてはいかがでしょうか?
また岡本さんは自身の会社HPで以下の書籍をおすすめされてます。
こちらも順次読んでみます。
『実学 中小企業のパーフェクト会計』(ダイヤモンド社)
『ビジネスパーソンのための易経入門』(朝日新聞出版)
『中小企業経営者のための本気で使える経営計画の立て方・見直し方』(すばる舎)
ここまで読んでいただきありがとうございました。

にほんブログ村


にほんブログ村
コメントを残す コメントをキャンセル